サブ4ってなに?
フルマラソンで4時間を切るにはどうしたらいいの?
ペース配分はどうやってきめたらいいの?
どんなトレーニングがオススメなの?
こんな悩みを解決します。
本記事の内容
- サブ4とは
- フルマラソンで4時間を切るためのペース
- 3種類のペース配分
- サブ4達成するためのトレーニング方法
- 月間走行距離
人生に一度はフルマラソンを走ってみたいという人も多いのではないのでしょうか?
規模が大きいフルマラソンの大会では、交通規制が行われ、街全体がお祭りのような雰囲気ですよ。
フルマラソンは完走するだけで家族や友人に自慢できますよ。
完走するだけでなく、さらに上を目指しタイムを気にする人もいますよね。
フルマラソンのタイムはグロスタイムとネットタイムの2種類があります。
タイムを気にするうえでこれらの違いを理解しておくことは重要です。
もし、まだ違いを理解していないようでしたら、先にこちらをご覧ください。
ネットタイムとグロスタイムの違いは?公式タイムはどっち?
フルマラソンをすでに、完走した人の中では、自分が上位何%にいるかが気になる方もいるのではないでしょうか?
これは日本最大級の東京マラソンのタイムの分布図です。
このように完走者の中で、男性では上位30%ほどが、女性では上位16%がフルマラソンで4時間以内に完走していますよ。
フルマラソンで4時間以内に完走することはサブ4といわれ、一人前ランナーの勲章と言われていますよ。
初心者ランナーから中級者ランナーに変わる大きな壁となり、
マラソンを始めた多くの人が「サブ4」を目指してトレーニングをしているといっても過言ではありません。
サブ4について詳しく知りたい方はこちらをご覧くださいね。
フルマラソンを4時間で完走する「サブ4」の割合は?難易度は?
Contents
サブ4を目指すのはどんな人か?
サブ4.5を達成して次の目標を探している方や日頃から運動していて体力に自信がある方です。
日頃運動をしていない人にとっては達成することは難しいです。
初マラソンの方はまずは完走することを目標に走り切りましょう。
しかし4時間を切るためにはただ、やみくみもに走るのではなく、ペース配分を意識する必要があります。
そこでこの記事では、3つのペース配分とそれに合わせたペース設定を紹介します。
3つのペース配分
- イーブンペース(一定のペース)
- ポジティブスプリット(前半型)
- ネガティブスプリット(後半型)
詳しくはこの後紹介します。
また、サブ4はすでに達成していて、次にサブ3.5を目指す方はこちらをご覧くださいね。
フルマラソンを3時間30分「サブ3.5」で完走するためのペース配分
ここまで読んで、サブ4はまだ早いと感じた方は、サブ4.5から目指してみてはどうでしょうか
フルマラソンをサブ4.5(4時間30分)で完走するためのペース配分
それでは順番に解説していきます。
目次
・ イーブンペース(一定のペース)
・ ポジティブスプリット(前半型)
・ ネガティブスプリット(後半型)
・ まとめ
イーブンペース(一定のペース)
前半のペースと後半のペースが同じで、常に一定のペースで走ることです。ペースのアップダウンがないため、理想的な走りと言えます。
また、常に一定のペースで走るため、足への負担も少なくすみます。フルマラソンでサブ4を達成するために、必要なペースは5 : 40 / kmです。
比較として、5:30 / kmで走り切った時と、5:50 / kmで走り切った時のタイムを表は以下のようになります。
ペース | 5:30 / km | 5:40 / km | 5:50 / km |
5 km | 0:27:30 | 0:28:20 | 0:29:10 |
10 km | 0:55:00 | 0:56:40 | 0:58:20 |
15 km | 1:22:30 | 1:25:00 | 1:27:30 |
20 km | 1:50:00 | 1:53:20 | 1:56:40 |
ハーフ | 1:56:02 | 1:59:33 | 2:03:04 |
25 km | 2:17:30 | 2:21:40 | 2:25:50 |
30 km | 2:45:00 | 2:50:00 | 2:55:00 |
35 km | 3:12:30 | 3:18:20 | 3:24:10 |
40 km | 3:40:00 | 3:46:40 | 3:53:20 |
フル | 3:52:04 | 3:59:06 | 4:06:08 |
このように、5:30 / kmで走り切った時はサブ4を余裕で達成でき、5:50 / kmで走り切った時はサブ4を達成できないです。そのため、必要最低限のペースでサブ4を達成するためには、5 : 40 / kmがベスト。
参考のために5:40 / kmで走り切った時のラップと通過タイムも載せておきますね。
ペース | ラップ | 通過タイム | |
5 km | 5:40 / km | 0:28:20 | 0:28:20 |
10 km | 5:40 / km | 0:28:20 | 0:56:40 |
15 km | 5:40 / km | 0:28:20 | 1:25:00 |
20 km | 5:40 / km | 0:28:20 | 1:53:20 |
ハーフ | 5:40 / km | 1:59:33 | |
25 km | 5:40 / km | 0:28:20 | 2:21:40 |
30 km | 5:40 / km | 0:28:20 | 2:50:00 |
35 km | 5:40 / km | 0:28:20 | 3:18:20 |
40 km | 5:40 / km | 0:28:20 | 3:46:40 |
フル | 5:40 / km | 0:12:26 | 3:59:06 |
このように5:40 / kmでフルマラソンを走り切ることができれば、タイムは 3:59:06 となり、見事サブ4達成となります。
とはいえフルマラソン初心者であれば、一定のペースで走り切ることは難しいです。特に30km地点で足が動かなくなってしまうことがよくあります。
そこで次に前半に早く走るポジティブスプリットをご紹介します。
ポジティブスプリット(前半型)
前半のペースが後半よりも速いことです。後半にペースが落ちてしまうことを見越して、前半に、貯金を作る方法です。
プロのランナーでも、イーブンペースで走ることは難しく、後半には疲れからペースが落ちてしまいます。
そのため、サブ4を目指す初心者ランナーの多くはこのタイプになると思います。
ポジティブスプリットの理想的な走りは、前半の20kmは5 : 20 / kmのペースで走り、足が疲れてきた後半は後半は6 : 00 / kmのペースで走ることをお勧めします。頑張りましょう。
参考にペースをまとめておきます。
ペース | ラップ | 通過タイム | |
5 km | 5:20 / km | 0:26:40 | 0:26:40 |
10 km | 5:20 / km | 0:26:40 | 0:53:20 |
15 km | 5:20 / km | 0:26:40 | 1:20:00 |
20 km | 5:20 / km | 0:26:40 | 1:46:40 |
ハーフ | 6:00 / km | 1:53:15 | |
25 km | 6:00 / km | 0:30:00 | 2:16:40 |
30 km | 6:00 / km | 0:30:00 | 2:46:40 |
35 km | 6:00 / km | 0:30:00 | 3:16:40 |
40 km | 6:00 / km | 0:30:00 | 3:46:40 |
フル | 6:00 / km | 0:13:10 | 3:59:50 |
参考のためにラップと通過タイムも載せておきます。
このペースでフルマラソンを走り切ることができれば、タイムは 3:59:50 となり、サブ4達成となります。
前半に余裕があるからと言って飛ばしすぎてしまうと、後半に体力がなくなり、足が動かなくなり、失速ということはよくあります。
実際に、私自身も前半に調子に乗って、飛ばしすぎて、後半に体力がなくなり最後には歩いてしまうという経験もありました。
そこで初心者におすすめなのは次に紹介するネガティブスプリット!
ネガティブスプリット(後半型)
後半のペースが前半のペースより早いことです。フルマラソン初心者の人によくあるパターンとして、前半に飛ばしすぎてしまい、後半に失速することがよくあります。
そこで、前半は体力を温存しながら走り、後半に速く走るという方法です。
この方法の大きなメリットは多くのランナーは後半に体力尽きてしまい、失速します。しかし、自分はペースを上げるため、多くの人を抜かすことができ、モチベーションの向上にもつながります。
ポジティブスプリットの理想的な走りは、前半の20kmは5 : 50 / kmのペースでややゆっくり走り体力を温存します。後半は残った体力をふりしぼり、5 : 30 / kmのペースで走ることをお勧めします。
参考のためにラップと通過タイムも載せておきます。
ペース | ラップ | 通過タイム | |
5 km | 5:50 / km | 0:29:10 | 0:29:10 |
10 km | 5:50 / km | 0:29:10 | 0:58:20 |
15 km | 5:50 / km | 0:29:10 | 1:27:30 |
20 km | 5:50 / km | 0:29:10 | 1:56:40 |
ハーフ | 5:30 / km | 2:02:42 | |
25 km | 5:30 / km | 0:27:30 | 2:24:10 |
30 km | 5:30 / km | 0:27:30 | 2:51:40 |
35 km | 5:30 / km | 0:27:30 | 3:19:10 |
40 km | 5:30 / km | 0:27:30 | 3:46:40 |
フル | 5:30 / km | 0:12:04 | 3:58:44 |
とはいえ、前半にゆっくり走りすぎて、後半に挽回できなくなってしまっては元も子もありません。ゆっくり走るといっても後半に挽回できる程度にしておく必要があります。
初心者ランナーは最初に体力がなくなることが多いため、この方法がおすすめです!
サブ4に向けたトレーニング方法
サブ4達成のための強化項目はこちらになります。
サブ4達成のための強化項目
- スタミナ
- スピード持久力
- スピード
サブ4達成のためには、これらのうちひとつでも欠けてはいけません。
マラソン初心者の方で、30km以降でのスタミナ不足に悩まされている方はスタミナ練習を多くするなど、苦手分野の強化を意識することが重要です。
また、スタミナは持つのですが、スピードが足らずにサブ4を逃したという方はスピード練習を多くした方がいいです。
では、どのような練習をしたらいいかを順番に解説していきます。
スタミナトレーニング
サブ4を目指すうえで、最重要項目はスタミナです。スタミナの有無がサブ4を達成できるかどうか決めるといってもかごんではないでしょう。サブ4を狙うランナーなら4時間歩かずに走り切る必要があります。
ハーフマラソンでは、サブ4ペースで走り切ることができるのにフルでは体力が持たない人も多いのではないでしょうか。初心者ランナーの多くは30km以降でペースが落ち、歩いてしまいます。
その原因として1番に挙げられるのかスタミナ不足と長距離に慣れていなかったことです。そのため、長距離を走り込み、事前にスタミナをつけておくことでサブ4が狙えます。
120〜180分LSD (6:00 / km~6:30 / km)
フルマラソンは42.195kmの距離を一度に走らなければいけません。そのためには距離に慣れる必要があります。長い時間をかけてゆっくり距離を走ることをLSD(ロング・スロー・ディスタンス)と呼びます。距離としては20-30kmがおすすめです。最低でも90分以上は走ることで効果が得られます。
LSDを行うことで、体中の毛細血管の発達し、酸素をたくさん取り込めるようになります。長い距離を走るのが難しいという方にも朗報です。このLSDはウォーキングでも効果が得られます。そのため、初心者でも無理なくすぐ続けることができるトレーニングです。
ただ、時間がかかるトレーニングなため、毎日行うというよりは、学校や仕事がお休みの日に週に1回ほど行うと効果的です。
ハーフ走(5:30 / km~6:00 / km)
フルマラソンは42.195kmの距離を一度に走らなければいけません。そのためには距離に慣れる必要があります。そこで、フルマラソンを走る前にハーフ走ををお勧めします。
このとき、ハーフで自己ベストを出す走り方をしてもいいし、フルマラソンのペース(5:30 / km) で走ってもいいです。フルマラソンのペースで走ることで、スタミナを鍛えることができます。自己ベストを出すやり方で走れば、スタミナだけでなく、筋持久力やスピードの強化にもつながります。
また、ハーフを走ることで、自分の状態を確認することができ、タイムも予測できます。ただし、あまりに無理をしすぎて、体を痛めてしまわないように注意しましょう。
練習でハーフを走り切ることができれば、本番はアドレナリンが分泌され42.195km走り切ることができると言われています。
スピード持久力強化トレーニング
スピード持久力とは一定のはペースで長く走り続ける力のことを言います。初心者は一定のペースで走るということも難しいため、はじめは苦労するかもしれません。
特にフルマラソン初心者の方ははじめにとばしすぎてしまい、後半に失速するということがよくあります。マラソンで高タイムを狙う上ではある程度一定のペースで走ることが必要不可欠です。
フルマラソンでは5:40 / kmのペースで4時間走り切る必要があるため、スピード持久力を鍛える必要があります。スタミナとスピード持久力をどちらも鍛えることで、相乗効果が生まれます。5:40 / kmで、安定して走れるようになれば、サブ4を達成することができるでしょう。
15kmペース走(5:00 / km~ 5:40 / km)
スピード持久力を鍛えるには、ペース走がおすすめです。ペース走とは、10kmや20kmといった距離を一定のペースで走り切ることを目的とします。
ペース走により、ペース感覚を養うことで目標タイムを達成することにつながります。フルマラソンで走るペース(5:40 /km)よりも速いペース5:00 / km〜 5:30 / kmで15km走り切りましょう。
仮に5:00 / kmで15km 走ることができれば、サブ4を達成するためのスピード持久力に関しては問題ないと言えます。また、いきなり 5:00 / kmで走ることは難しい場合は6:30 / km、6:20 / kmと徐々にペースを上げていきましょう。この練習では仮にまだ走れると思ってもペースを上げずに我慢強く同じペースで走り切ることが大事になってきます。
10kmビルドアップ走(6:00 / km → 4:30 / km)
ビルドアップ走とは、はじめはゆっくりしたペースで走り始め、徐々にペースを上げていき、最終的には速いペースで走る練習方法のことです。
フルマラソンで、終盤にペースが落ちてしまう人にオススメの練習です。普段、何気なく走っていると疲れにより、徐々にペースが落ちてしまいます。
この練習では逆に後半につれてペースを上げる練習をします。1kmあたり5-10秒のペースアップをしていくことで無理なくできます。
10kmビルドアップ走では、1km間隔で6:00から10秒ずつペースを上げていきます。「6:00→5:50→5:40→5:30→5:20→5:10→5:00→4:50→4:40→4:30」
そうすることで、心肺機能が高まり、5:40のペースで楽々走ることできます。また、後半の落ち込みがなくなります。
スピードトレーニング
サブ4を目指すランナーはスタミナとスピード持久力が必要で、スピード練習は必要ないと思っていませんか。
たしかに、極端なスピード練習は必要ありません。ただ、最低限必要なスピードは持ち合わせておく必要があります。
特に、スタミナ型のランナーでサブ4.5は達成したけどサブ4はまだ達成できていない人の多くはスピード不足である可能性が高いです。
ただし、100mや200mといった短い距離でのスピードは必要ありませんので、ここでは1kmのインターバル走をお勧めします。
1kmインターバル走(4:30 / km~5:00 / km)×5本
インターバル走とは、「速く走る(80%の力)→ゆっくり走る(20%の力)」の繰り返しをするトレーニングのことです。
1kmを5:00 / kmのペースで走り、500mを歩かずにゆっくり走ることを5セット繰り返します。
この練習により、スピードと心肺機能の向上が見込めます。慣れてきたら 4:30 / kmのペースで走るとサブ4に必要なスピードは確実につけることができます。
サブ4に必要な月間走行距離は?
サブ4に必要な月間走行距離は一般に120-150kmと言われています。余裕を持って150km以上走っておくと達成する確率がグンとあがる。
月間で150kmと言われてもイメージしづらい方もいるのではないでしょうか?
月間で150km走るということは週に37.5km走ることです。週3回走る人は1回あたり13kmで、週に4回走る人は1回10kmの距離を走れば達成できます。
また、ただ闇雲に走ればいいのではなく、重要なのは量よりも質です。次に、トレーニング方法についてご紹介いたします。
あなたが、スピードタイプのランナーかスタミナタイプのランナーかで練習方法が異なります。スピードタイプのランナーであれば、スタミナを強化するトレーニングを大串、スタミナランナーなら、スピードトレーニングを多くする必要があります。自分の苦手な分野を克服することで、サブ4達成に近づきます。
スピードランナー | スタミナランナー | |
月曜日 | 休養 | 1kmインターバル走(4:50 / km )×5本 |
火曜日 | 15km ペース走(5:20 / km ) | 休養 |
水曜日 | 30分程度のジョギング | 15km ペース走(5:40 / km ) |
木曜日 | 休養 | 30分程度のジョギング |
金曜日 | 10kmビルドアップ走 | 休養 |
土曜日 | 休養 | ハーフ走 |
日曜日 | 180分LSD (6:00 / km ) | 休養 |
今回ご紹介した練習メニューはサブ4を達成した人の平均的な月間走行距離を上回るように組みました。このメニューをこなすことで、サブ4を達成できるでしょう。
まとめ
この記事では
3つのペース配分
- イーブンペース(一定のペース)
- ポジティブスプリット(前半型)
- ネガティブスプリット(後半型)
それぞれの特徴をまとめました。
ランニングは健康にいいため、ぜひみなさんもおこなってください。
また、一回で終わるのではなく、継続して行うことが大事です。
一人では、なかなか甘えてしまう方も「ライザップ」のようなジムに通うことで、
継続しやすいかもしれませんね。
人それぞれ、前半にとばすタイプや、後半まで体力が持つ人がいますので、自分に合ったペース配分をしてください。
サブ4に向けた具体的なトレーニング方法を詳しく知りたい方はこちらでご紹介しています。
フルマラソン「サブ4」の練習メニューや月間走行距離は?